
右写真は同社のディーゼルエンジン。
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9月下旬のここ1週間 自動車業界のみならず、経済界で大騒ぎになっているともいえるのがドイツ最大の企業フォルクスワーゲン (VW) の “ディーゼル車排ガス規制逃れ” です。 以前 韓国 現代自動車の燃費水増し問題が2012年に発覚しましたが、それよりも影響は深刻です。
全世界で 1100万台の VW 車が不正の対象ですが、現代・起亜自動車の場合は 90万台でしたから、桁が違います。 VW 社の従業員は全世界で 55万人、うちドイツ国内が 27万人と大きく、売上は €202B (27兆円 2014年12月期)、またロイターによると ドイツの自動車産業の輸出額は €200B (2014年) と大きく 全輸出の約5分の1を占め、自動車産業全体の労働者数は 77万人で、全労働者数の 2% に近いものです。
2013年のドイツの GDP が $3635B (440兆円 $1=¥120) として VW は 6~7% を占めます。 ちなみに トヨタ自動車の売上は 27.2兆円 (2015年3月期) で、従業員 33万人ですから、ドイツのトヨタともいえる存在が VW です。
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ウィキペディアから __ 不正内容 __ 9月18日 アメリカの環境保護庁は、 VW が、アメリカの自動車排出ガス規制をクリアするため、ディーゼル自動車に不正なソフトウェアを搭載していたと発表した。 このソフトウェアは、試験であることを自動検知し、排気ガスをコントロールする機能をフル稼働し有害物質の量が大幅に減るようになっていた。 しかし 自動車が通常走行する場合は、環境基準の 40倍に上る窒素酸化物などを排出していた (※追加1へ)。
燃費水増し問題 __ 2012年11月2日 アメリカ環境保護局 (EPA) は現代自動車と傘下の起亜自動車がアメリカで販売した一部車種の燃費性能を誇大表示していたと発表した (※追加2へ)。
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“ドイツ産業” と聞いて普通 思い浮かぶのは、機械産業や自動車産業でしょう。 メルセデス・ベンツ、ポルシェ、BMW、アウディ、VW といった世界的に有名な自動車ブランドが軒並みあります。 その中でも最大手が VW でしたから、ドイツの自動車産業のみならず ドイツのイメージそのものが大きく失墜したことになります。
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しかも 悪質なことに、”検査をすり抜けるソフト” が組み込まれていたということですから、たまたまやってしまったのではなく、意図的に検査に引っかからないように細工していたわけです。 今回の件で VW はこれまで得てきた諸々の中から何らかのもので償わなくてはいけません。
そしてその代償 (制裁金) は小さなものではなく、それなりの規模 (最大で 180億ドル__約 2兆1500億円) になるだろうといわれます。 ロイター通信は、リコール関連費用が 65億ドル (約 7800億円) を超える見通しだと報じました。
この不正問題はまだ全容が解明されていないのですが、影響が大き過ぎるので 取りあえず この段階でブログを書きました。 またデータが貯まったら第二弾を載せたいと思います。
以上
※追加1_ このように試験だけをクリアする機能はディフィート・デバイスと呼ばれ、アメリカでは違法である。 通常走行でも規制に適合するようソフトウェアを修正すると、燃費の劣化、馬力の低下、および部品寿命の短縮が見込まれる。 問題があるのは排ガス規制に関する部分だけであるため、運転の安全性には問題がないとされる。 なお日本では 3.5トン超のディーゼル車に対してのみディフィート・デバイスが禁止されているため、当該車種での使用は違法行為とはならない。
不正の影響
VW は、この不正行為を認めており、アメリカ国内で不正の対象となった車は、2009~15年型の「ゴルフ」「ジェッタ」「ビートル」と12~15年型の「パサート」、09~15年型のアウディの「A3」で、いずれもディーゼル車であり、台数は 48万2000台に上る。
VW の内部調査により、全世界で 1100万台が不正の対象となっていることが判明している。 ドイツ国内では 280万台に上る。 アメリカ以外にも、EU、スイス、カナダ、韓国、インドの政府が検査を実施する見通しであるが、日本では当該車種は発売しておらず影響は小さい見込みである。
VW は、今後、アメリカ国内だけでも最大 180億ドル (約 2兆1600億円) となる巨額の制裁金や、刑事訴追を受ける可能性もある。 また リコールなどに当てるための 65億ユーロ (73億$) を引き当てている。 そのほか アメリカおよびカナダ国内で、価値の減じた当該車種の所有者などによる集団訴訟が計画されている。
汚染物質の総量は年間 100万トンと見られ、これはイギリスの総排出量に匹敵する。
不正発覚後の経緯
9月20日日曜日 VW は不正を認めた。 翌月曜日、環境保護庁は同社がほぼ一年間にわたって不正を否定してきたが、2016年に発売する車両の認可を保留すると脅して初めて不正を認めたと発表した。 同日、同社の株価は 20% 下落した。 翌22日火曜日、同社は全世界で 1100万台が影響を受けると発表し、株価はさらに 17% 下落した。 翌23日水曜日、CEO のマルティン・ヴィンターコルンは辞任した。 25日金曜日、前ポルシェ社長のマティアス・ミュラーが CEO に就任した。
この問題について、ドイツ政府が事前に把握していたとの疑いもあるが、ドイツ政府は否定している。 VW はドイツ最大の企業であり、ドイツ国内で 27万人を雇用している。 その企業の不正は、長期化すればドイツの経済にも悪影響が及ぶという指摘がある。
ドイツのドブリント運輸相は、欧州販売の VW 車でも不正を確認したという。 さらに Seat Leon や Toledo で使われている 1.6リットル、2リットルエンジンでも不正が確認されたと述べた。
VW の供給したディーゼルエンジンは、クライスラー・セブリング、ジープ・コンパス、ダッジ・アベンジャーと三菱自動車にも搭載されている (不正プログラム搭載の有無と販売地域、台数は不明)。
EU では2007年にディフィート・デバイスを違法としており、2013年に EU 合同調査センター (JRC) が不正を防ぐために路上テストに切り替えるべきだと提言していたことが、9月26日分かった。
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※追加2_ 誇大表示が指摘されたモデルはサンタフェ、エラントラ、スポーテージ、ソウルなどの主要車種を含む現代車7モデル、起亜車6モデルとなっている。
該当車を購入した北米地域の顧客は 90万人と推測され、これに合わせて現代・起亜は 90万台のうち 58万台は認証燃費を 1ガロン (3.78リットル) 当たり 1マイル (1.6キロ)、24万台は 2マイル、8万台は 3~4マイル引き下げることにしたと発表された。
現代・起亜は「決して意図的なものではなく、米国燃費試験手続き上の規定の解釈と試験環境・方法の違いによる」と説明した。 現代・起亜車北米法人は燃費の変更に基づき、該当車を購入した顧客に地域燃料価格などに基づいて補償すると明らかにした。 また不便による補償 (燃費補償額の 15%) も追加でする予定という。
しかし アメリカではこれに対して集団訴訟を行う顧客が急増、 彼らは訴状で「現代・起亜が出した補償案は燃費が下方調整されたのに伴った中古車価値下落分が含まれていない」として、「中古車価値が下がったことに対し経済的損失まで賠償を」と要求した。 また 現代・起亜が不公正競争防止および消費者救済法に違反したと主張した。 さらにこの訴訟は隣国のカナダだけでなく、本国である韓国にまで飛び火したという。
2014年11月3日 アメリカ司法省と環境保護局は、現代・起亜両自動車会社が大気浄化法違反の制裁金として過去最高額となる 1億ドル を支払うことで和解したと発表した。
以上